(株)福永博建築研究所 代表:福永 博

歴史や文化・伝統から学び、理解したものを継承しながら社会や地域に必要なことが何かを考え、その上で、住む人、使う人の立場に立った「建築と街づくり」を実践している。生け花の師範でもあり、150項目を超す特許も取得している。マンションの革命ともいえる超長期耐久マンション「300年住宅」を提唱し、建物を実際につくることで証明している。

昭和20年福岡市に生まれる
昭和43年3月福岡大学 工学部 建築学科 卒業岡田・的場設計事務所、角田建築研究所 勤務
昭和46年1月一級建築士 資格取得・登録
昭和51年4月九州産業株式会社 一級建築士事務所 設立
昭和60年9月有限会社 福永博建築研究所 を設立 代表取締役に就任
平成7年8月長期間資産価値と利用価値が保全できる集合住宅を 建設することを目指す「参百年住宅株式会社」を設立。
平成7年10月300年住宅の詳細をまとめた本「300年住宅」を発行する。(日経BP出版センター刊)
平成8年10月300年住宅のコンセプトが全国住宅宅地協会連合会で大会決議として採択される。
平成11年7月日本初の300年住宅仕様の集合住宅「アトリエ平和台」を建設する。
平成14年7月300年住宅 第2棟「アトリエ大濠」を建設する。
平成19年3月株式会社に組織変更。
平成21年5月長期優良住宅先導的モデル事業に4件採択
平成21年12月300年住宅の技術・工法を記載した 「300年住宅のつくりかた」(建築資料研究社)を発刊する。
平成24年3月長期優良住宅先導事業 4棟223戸 竣工
昭和63年3月第1回 福岡市都市景観賞 「シャトレ赤坂・けやき通り」
平成7年3月第7回 福岡県建築文化大賞(いえなみ部門) 受賞 「北九州公営住宅 西大谷団地」
平成4年4月プライベートグリーン設計賞 「ガーデンヒルズ浄水Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」
平成10年2月第11回 福岡市都市景観賞 「けやき通りの景観整備及び環境向上運動」
平成23年11月新建築家技術者集団 新建賞
平成24年11月一般社団法人 発明協会 発明奨励賞
平成25年3月応急仮設住宅計画コンペ 奨励賞
 
 
 

商号株式会社 福永博建築研究所
資本金5,000,000円
設立年月日昭和51年4月 1日 九州産業(株)一級建築士事務所より
昭和60年9月3日有限会社福永博建築研究所に名称変更
平成19年3月26日株式会社福永博建築研究所に名称変更
本社所在地福岡市中央区赤坂二丁目4番5号
代表者氏名福永 博
一級建築士福岡県知事登録第1-10571号

緑生館・ホール

社会はさまざまな矛盾を抱え、その進むべき方向を模索しています。建築家は、そのような状況下において、これからの社会のありかたに対する指針を探り出し、具体的なかたちに集約させる役割を担っています。 対象とする分野が広く、人間の営みが深く関わってきますから、社会に対して常に、大きな責任を負う立場にあると考えています。建築を作品と捉えたとき、自分のデザインや生き方を建築に反映する建築作家(安藤忠雄、白井晟一、菊竹清訓など)と共通することは、“影響”にあります。今までの仕事の中で、社会的な影響を与えたと考えられることを次の3点に絞り、当研究所をご理解いただきたいと思います。

グランドメゾン高宮緑景

シャトレけやき通り

当社では、建築と街づくりをテーマ(オープンスペース、色調の統一感、広場づくり)に、永く住める美しいマンションづくりを心がけています。例えば、シャトレシリーズでは、福岡の色を入念に調査し、独自に焼成したタイルを開発して使用しています。地域にはその場所固有の地域に馴染んだ色があります。新築より20余年を経過した今、シャトレシリーズの外観は、福岡のマンションのスタンダードカラーとして、古びた様子はありません。シリーズの代表作となるシャトレけやき通りは、赤坂けやき通りの修景と整備による街づくりを実践し、都市環境のあるべき姿を提示しています。
私たちは、福岡に根ざした設計事務所として、大規模なコンペに対する取り組みを行ってきました。シーサイドももち、マリナタウン、県庁跡地など、いずれも福岡の街づくりを考える上では、重要な意味を持つものでした。シーサイドももちでは、街づくりの軸線と、300年住める住宅の提案を。マリナタウンでは、海と一体となった朝日と夕陽を眺望できるマンションづくりの提案。川辺の修景、安全な敷地内道路(歩道と車道)の提案を行っています。県庁跡地再開発では、歴史ある旧県庁のイメージや天神様のある都市の原風景を大切にしながらも、那珂川と一体になった広場やルネサンス期の様式デザインなどをテーマとしてコンペ案を策定しました。 しかし、その後に事務所が行った世論調査の結果、万が一の大規模災害時の避難場所として、県庁跡地は公園として整備することが最も適切であるとの提案を行いました。私たちは、福岡の街づくりに関わりながら、地方の設計事務所では、できにくい研究・調査を基本に置いた業務を実施しています。

シーサイド百道

マリナタウン

美奈宜の杜

県庁跡地再開発

アトリエ大濠

アトリエ平和台

300年住みつづけることができる集合住宅づくりをめざして、5つの変更点(①メンテナンスフリーで300年持つフレームをつくる、②配管を専有部分から分離する、③空間の自由性、④組織の変更、⑤経済性の変更)をテーマに技術開発を行いました。その技術的なテーマのうち一部を、VACS、SEFLとしてまとめ、社会発表を行いました。この内容は2冊の書籍にまとめて出版され、大きな反響を得ることができました(「300年住宅」日経BP出版センター、「300年住宅のつくりかた」建築資料研究社)。これら300年間の耐久技術は、ただ理論だけではなく、アトリエ平和台、アトリエ大濠という2棟は事業主として建設・供給し、政府の長期優良住宅先導的モデル事業に採択された4棟は各事業主様を通して、全国に向けて具体的な形で示しています。その結果、住宅の長命化が社会的なテーマとして考えられるようになってきましたが、研究所においても、今なお継続中のテーマとなっています。


「けやき通り発展期成会」は、福岡市けやき通りの環境の保全及び美化を行うことを主たる目的とした平成5年に設立されたボランティア団体です。月例清掃やプランターでの季節の花の設置、街の散策マップの製作等を行っています。 けやき通りは、平成6年には読売新聞社主催の“新日本街路樹100景”に福岡では唯一、選出されました。その後、道路管理者である福岡国道工事事務所と協力して、けやき通り景観整備計画を実施して、街路灯や常設プランターの設置、歩道の整備等を行いました。このような活動は福岡市からも評価していただき、平成10年には「福岡市都市景観賞」が授与されました。建物ではない無形の環境整備向上活動が対象となったのは、これが初めてのことでした。このような活動を通して、道路・街路を中心に街の整備が進められ、景観が整い、街にはマンションが数多く建設され、都心に近い、良好な街並みをもつ商業・住宅地に変化しています。
平成13年には地域住民や企業等が道路管理者と協力して道路の清掃・美化緑化活動を行う「ボランティアサポートプログラム(VSP)」の管理協定を国土交通省と結びました。当研究所はけやき通り発展期成会の設立時より事務局として活動しています。
→けやき通り発展期成会のホームページはこちら

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